「心の保健体育」心の健康を保ち心を育てるための学び。(ヒトの仕組みに基づく学び)

足が痛かったら、まず動かさない、痛みが続けば医者に行きます。 心が痛かったらどうしてますか? 

その44 「個人の意思より集団を優先する日本人」なぜ?その対応は? を考える(続き)

「個人の意思より集団を優先する日本人」なぜ?その対応は? を考える(続き)

参考  「人は、なぜ 他人を許せないのか?」 脳科学者 中野信子
 
 
前回の内容は
 この考えかたは、グローバルスタンダードとは異なる 
 この考え方の副作用としての課題
 イノベーションが生まれずグローバル・ビジネスの主役クラスでなくなった
 
(続き)はここからです。ーーー
 
 日本人の性質  なぜ:過去→今! 

 日本人の環境は、数万年前に農業を開始し、数千年前に国が始まり、そして現代でも風水害や地震などの自然災害が多い場所です。

世界のマグニチュード6以上の地震の2割は日本周辺で起きているそうです。

 数百年前からの環境は、江戸時代で鎖国によって食糧の輸入を行わず、国土を最大限に食糧生産に活用して、最大限の人口3000万人を維持していました。

食料はギリギリで余裕はなく、自然災害が起きると100万人単位で命を失う状況でした。

 

 この環境に適応して生き残った日本人の性質は、非常事態対応が得意な集団」が多数派です。

つまり、災害からの復興を助け合いながら力を合わせて行う集団が生き残ったのです。

「協働して困難を乗り切る集団主義戦略」で生き残り、集団の考え方に背くことが集団全体の滅亡を招く」という思考が多数派となりました。

 この、環境に適応して生き残った進化が、「個人の意思より集団を優先する日本人」が多数派になった大きな理由です。

 

進化の結果に良し悪しはない

 この進化の結果の性質に良し悪しはありません。時代環境に適応しているかどうかだけです。

良いといわれている点は、お客様の気持ちを読んだおもてなし、震災への対応、コロナ禍の東京オリンピック開催、集団力・・など

日本人の魅力的な個性と世界から認められています。

 日本の敗戦からの高度経済成長の時代は、まさにこの性質・集団力によって、世界が認める奇跡の復興を遂げ、

世界でトップクラスの豊かな国になりました。(先輩方本当に本当にありがとうございます!)

 

 しかし、時代とともに環境が変わって日本人の課題となっているのが、前回挙げたこれらの性質を持つ人が多数派ということです。

 ・多様性と自由が認められない
 ・学校では破壊的な天才児 より 従順な優等生が優遇される
  ・本質的な正しさより 仲間内の正義が優先される
 ・冷静に議論ができない(いつの間にか、よそものに対する人格攻撃になっている)
  ・イノベーションが生まれずグローバル・ビジネスの主役クラスでなくなった
 
 

「未来に適応できる日本人」になるためにどう対応するのか?

  これに関して先人の知恵を活用すると、(by ドラッガー

「〜未来は知りえない、未来は今日存在するものとも、今日予測するものとも違うということである〜」。 

続けて言う「それでも未来を知る方法は、ふたつある」と。一つは、自分で創ることである。

もう一つは、すでに起こったことの帰結を見ることである。そして行動に結びつけることである。

これを彼は、「すでに起こった未来」と名付ける。あらゆる出来事が、その発生と、インパクトの顕在化とのあいだにタイムラグを持つ。

 

 皆さんも未来の環境がどう変わるのか?そこで、生き残るにはどう対応すればいいのか?

変化するためには自分がどう行動すればよいのか?考えてみてください。

 

  考えの一例をあげます。個性がなければ世界で認められないと考えます。

上記にあげた日本人の個性・良い点を残したまま、現代の課題に適応できる能力や経験も持つ集団が、多数派の日本人になることを目指します。

つまり、

 ・集団力やおもてなし能力を残したまま、破壊的な天才児も居場所があり、冷静な議論ができそして本質的な正しさを優先することができる日本人です。

 ・これらすべての能力を個人で持つ必要はなく、お互いに得意なことで助け合って生きることができる、「多様性と自由を認めあい尊敬しあう集団」

を目指します。

 

 次に、未来への変化を創るために、自分で行動することはなんでしょうか?

日本でも多様性と自由を認める集団が若者を中心に増加してきている兆候「すでに起こっている未来」があります。

これらを多数派にするためには下記の行動をとりたいと思います。

 ・世代間の「あたりまえ」にギャップはあるが、理解できなくても邪魔しない。我々もやってみて失敗から学んだので失敗を非難しな

  ・日本人は上の人の教えを守る人が多数派なので、自分が上の人になってこの考え方を発信する。職場だけではなく、家庭や地域のリーダーになって頑張る。

 

 

 皆さんの考えも教えてください。