「心の保健体育」心の健康を保ち心を育てるための学び。(ヒトの仕組みに基づく学び)

足が痛かったら、まず動かさない、痛みが続けば医者に行きます。 心が痛かったらどうしてますか? 

その58 失敗を恐れないで! 失敗は脳にとって最高のエクササイズ

失敗を恐れないで!失敗は脳にとって最高のエクササイズ

(未経験のことを判断するのに「失敗経験」が活きる!)

 

参考

失敗は、脳にとって最高のエクササイズである | 株式会社感性リサーチ

by 黒川伊保子くろかわ いほこ 人工知能研究者

 

ーーー <要旨> 失敗は脳にとって最高のエクササイズ ーーー

 ・「まだ経験したことがない」ことに判断を下すには、

  失敗事例で手に入れた回路でないとうまく行かない。

 ・自ら失敗して痛い思いをすることで、脳の中に「信号が行きにくい場所」ができ、   

  「信号が行きやすい場所」が浮き立ってくる

 ・「失敗を恐れることはない」 失敗は潔く認めて、十分に胸を痛めたら、

   清々しい気持ちで寝ればいい。翌朝、脳が必ず良くなっている。

    そのための3箇条はこれ。

1. 失敗は誰のせいにもしない。 他人の失敗も横取りする

   (脳は、自分の失敗だと気づくと、閾値が書き換わる)

2. 過去の失敗をくよくよ言わない

3、 未来の失敗をぐずぐず言わない

  (失敗回路が活性化して、同じ失敗を繰り返しやすい)

ーーー ーーー ーーー  ーーー ーーー ーーー ーーー ーーー ーーー

 

  人工知能AIに、N個(有限数)のパターンを与えて繰り返し学習させます。

 当然、N個内の既知の入力に関しては、教えた通りの答えを出してくる。 

  人工知能の素晴らしいところは、事象をルール化してプログラミングしなく

 ても、入出力パターンを与えれば、自己学習してくれます。

 そして、N+1番目、N+2番目…の新事象を与えても、それなりの回答をしてくる

 

  この新事象に、どれくらい適切な答えを出せるかが、AIのセンスの見せどころ

  なのだが、失敗させないAIは、このセンスが悪いのだ。

 

・ <脳の仕組み> 私たちの脳は、失敗して痛い思いをすれば、その晩、

   眠っている間に、失敗に使った関連回路の閾値(しきいち)を上げて

   神経信号を行きにくくさせる。

    私たちの脳には、天文学的な数の回路が入っている。

   これらの回路に漫然と信号が流れてしまっては、とっさの判断ができない。

 

・ < 事例 >  目の前を通りすぎた黒い影が猫だとわかるためには、

   猫がわかる回路だけに信号が流れる必要がある。

   牛がわかる回路にも、ネズミがわかる回路にも信号が流れてしまうと、

   目の前の黒い影の正体がわからず、立ちすくむしかない。 

 

・ < ポイント > とっさに使うべき回路の大半は、

   成功事例で手に入れることも可能だ。しかし、

   「まだ経験したことがない」ことに判断を下すには、

   失敗事例で手に入れた回路でないとうまく行かない のです。

 

  センスがいい、勘がいい、発想力がある、展開力がある。

   これらは、自ら失敗して痛い思いをすることで、

  脳の中に「信号が生きにくい場所」ができ、

  「信号が生きやすい場所」が浮き立ってくる、

  そうやって手に入れるしかない能力なのである

 

・ <行動 知恵>  「失敗を恐れることはない」

   失敗は潔く認めて、十分に胸を痛めたら、清々しい気持ちで寝ればいい。

  翌朝、脳が必ず良くなっているのだから。 

   失敗を確実に脳にフィードバックさせるための大事なポイントがある。

  「失敗3カ条」と呼んでいる。

 

1、失敗は誰のせいにもしない、他人の失敗も横取りせよ。

   ・失敗を人のせいにすると、脳が失敗だと気づかない

   ので、脳が書き換わらない。

  ・他人の失敗でも「私にも、なにかできることがあったはず」と

   心を痛めるべきです。自分の脳が成長します。

 

2、過去の失敗をくよくよ言わない

  ・失敗をしつこく思い返して、くよくよ言うと、

    せっかく消した失敗回路に、再び通電してしまう。(同じ失敗をしがち)

  ・失敗を、ふと思い浮かべてリスクヘッジに使うのはいいが、

    くよくよしないこと。

 

3、未来の失敗をぐずぐず言わない

  まだ起こってもいない未来の失敗をぐずぐず言うのは、もちろん得策じゃない。

 ・教育熱心な親が、「あなたは、あのときも、あのときも、これで失敗した。

  次も失敗するかもしれない、気をつけなさい」というと、

  残念ながら、この子は、たぶん失敗する。

  失敗回路が活性化したまま、現場に送り込まれるのだから。

 

*失敗にビビる人は、同じ失敗を繰り返しがち、成長できない。

*失敗にビビる指導者がついていると、人材は育たない。 

 

 

ーーー <まとめ 再掲> 失敗は脳にとって最高のエクササイズ ーーー

 ・「まだ経験したことがない」ことに判断を下すには、

  失敗事例で手に入れた回路でないとうまく行かない。

 ・自ら失敗して痛い思いをすることで、脳の中に「信号が行きにくい場所」ができ、   

  「信号が行きやすい場所」が浮き立ってくる

 ・「失敗を恐れることはない」 失敗は潔く認めて、十分に胸を痛めたら、

   清々しい気持ちで寝ればいい。翌朝、脳が必ず良くなっている。

1. 失敗は誰のせいにもしない。 他人の失敗も横取りする

   (脳は、自分の失敗だと気づくと、閾値が書き換わる)

2. 過去の失敗をくよくよ言わない

3、 未来の失敗をぐずぐず言わない

  (失敗回路が活性化して、同じ失敗を繰り返しやすい)

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