その55 「パフォーマンスを上げる時間栄養学(続き)」 タイミング、順番、はやさ で成果はかわる
「パフォーマンスを上げる時間栄養学(続き)」 タイミング、順番、はやさ で成果はかわる (心の保健体育その55)
前回の内容は下記です。
参考 「時間栄養学」の第一人者柴田重信教授による摂(と)るべき食事について
1. ノーベル賞で注目される「体内時計」とは
2. 「体内時計」をリセットするには朝食が大事
3. 「時間栄養学」でパフォーマンスを上げる食事法は?
体内時計をリセットしやすくするには、朝起きてすぐに食べることが重要で、
朝食は遅くても起床後1時間以内に摂りたい。栄養素の吸収は、朝から昼ごろまでが良いので、一日の食事量のほとんどを昼食までに摂ることも大切
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今回はここからです。
とはいっても、「朝起きてすぐは食べられない」という人もいるでしょう?
朝食をおいしく食べるには、
前日の夕食の摂り方に注意しましょう。
・ 寝る2時間前までに消化の良い食材をとりましょう。、
主食ならそばや麦ご飯、おかずには食物繊維の多い緑黄色野菜や根菜などを
摂ると、次の日の朝食をおいしく食べることができます。
・ 「空腹で寝られない」場合は、温かいスープなどを飲むことをお勧めします。
5. 「分食」 がおすすめ
規則正しい食生活が良いのは分かっていても、夕食の時間が遅くなってしまうこともあるでしょう。夕食を2回に分けて食べる「分食」をお勧めします。
・16~17時にカロリーの高いおにぎりのような主食系を食べ、
・ 帰宅後の遅い時間にはおかずや副食系のものだけを食べます。
間違ってもラーメンや丼ものなど、食べて寝るのはNGです。「体内時計」を狂わせる元です。肥満や生活習慣病の原因になります。
間食をするのであれば、15時でなく10時がお勧めです。ケーキ、クリーム、大豆製品(あんこ)などでも大丈夫です。午前中は脂肪の吸収に関わる時計遺伝子の発現量が最も小のです。
6. パフォーマンスを上げるための「時間栄養学」
ー体内時計が乱れると、「社会的時差ぼけ」も起こります。
・平日と休日で全く違う睡眠パターンの場合などに起こります。
・睡眠負債(日々の睡眠不足が負債のように蓄積された状態)になります。
休日に沢山寝ることで返済できますが、寝貯め(貯金)はできません。
ー「夜型人間」は生活習慣病や学業・仕事不振になりやいです。
・ 夜浴びる光は、体内時計を遅らせ睡眠ホルモンの分泌を低下させます。
スマホなどから出る青色光は特に注意が必要です。
・ 「朝から昼前までの高パフォーマンスが要求される時間」に適応できません。
試験も午前中が多く、仕事も朝から始まります
朝食をしっかり摂り、「体内時計」をリセットして、パフォーマンスを上げる
習慣を身に付けることが重要です。
* パフォーマンスを上げる時間栄養学 まとめ
<朝食>しっかりおいしく摂る (末梢臓器の副時計に朝を教える)
・ 起床後1時間以内 (脳の主時計は光でリセット、体内時差を防ぐ)
・ 穀類をとる (でんぷんが末梢臓器全ての副時計をリセット)
・ 牛乳と納豆は毎日朝夕 (朝のタンパク質が筋肉を大きくする)
(納豆は血液凝固を防ぎ、朝起こりやすい心臓発作を防ぐ)
<昼食>までに一日の食事量のほとんどを摂る
(栄養の吸収率が良い、体内時差ぼけが小さい)
・ がっちり好きなもの、10時のおやつもOK
<夕食>就寝2時間前までに (朝食をおいしく、しっかりとれる)
・ 遅くなる時は軽い低カロリー食。 18時前に分食(主食)する
・ 空腹で寝られない場合はホットミルク・スープ
・ 牛乳と納豆(カルシウムは夜吸収率高い、納豆は骨粗しょう症に良い)
以上です。