その23 自分の感情が「何に注意を向けている状態」で「どう対処すればいいのか」研究が進んでいます
自分の感情が「何に注意を向けている状態」で「 どう対処すればいいのか」研究が進んでいます。
第6回 クリエイティブな仕事をするためには、怒りも不安も必要
参考資料によると
そもそも人に最初にあったのは、「これは危ないぞ」 といった目先の危機を乗り越えるためのネガティブ感情でした。
ネガティブ感情だと目先のことを考えてしまいますが、 ポジティブ感情だと中長期的に物事を考えられます。
人が中長期的に生き延びるためにポジティブ感情を生み出した とも言われています。
ネガティブな感情は、「怒り」「イライラ」「悲しみ」「恥」「 罪」「不安(恐怖)」の6つ、
ポジティブな感情は「幸せ」「誇り」「安心」「感謝」「希望」「 驚き」の6つ、計12に分けて研究が進められています。
1 感情によって「リスク認知」や「情報処理の仕方」が研究されてい ます。
◆「怒り」を感じているとき、ヒトはリスクを低く見積もります。
敵が目の前に現れて、「怒り」を感じていたら、 無鉄砲に立ち向かっていけるんです。
「怒り」 を感じているときは脳が情報をあまりちゃんと処理しなくなり、 考えずにぱっと動くことになります。
◆「不安(恐怖)」を感じていると、逆にリスクを高く見積もり、 敵から逃げるという選択をします。
「不安(恐怖)」を感じているときは、分析的に理屈っぽく考え、 リスクを深く繰り返し考えることになります。
「怒り」は 切羽詰まった状況を短期的に解決したいときはすごく重要です。
「怒り」や「憤り」、「恐怖」は人の思考を進めて、 おもしろい思考を生んでくれることもあります。
ー ポジティブ感情では ー
◆「幸せ」だと、人はリスクを低く見積もる傾向があります。
つまり、幸せなときは、 不用意に約束をしないほうがいいということです。
「誇り」を感じているときも、リスクを低く見積もります。
「幸せ」や「誇り」を感じているときは、 あまり深く考えない傾向があります。
おもしろいことに、反応だけを見ると「怒り」と「幸せ」 の感情は非常に似ているんです。
どちらも、リスクを低く見積もり、 あまり考えずにふわっと決定してしまう状態です。
◆「驚き」と「希望」の2つは、 情報処理において人を理屈っぽくさせます。人は、 驚くと理解したくなるのです。
「希望」は、未来に可能性を感じたときに持つ感情です。
可能性のある物事を実現したいとき、人は計画的になり、 理屈っぽくなります。
◆「感謝」、「希望」、「驚き」を感じたときは、 信頼度や協力度が上がります。
2 自分が何らかの感情を感じているとき、それぞれの感情が
「何に注意を向けている状態」で「どう対処すればいいのか」もわ かってきました。
◆「不安(恐怖)」という感情は、
自分ではとらえきれない、 わからないものに対して注意が向いている状態といえます。
わからないものが何かはっきりすれば不安はなくなります。
◆「悲しみ」は、「無いもの」に注意が向いている状態です。
何がなくなって自分は悲しいのかがわかれば、 それを埋め合わせる新しいものは何か、を考えることもできます。
◆「喜び」は、獲得したことに注意が向いている状態です。
獲得、というのは一瞬の動作です。 喜びが意外と長続きしないのはそのせいです。
なくなってしまったものは、ずっとなくなったままなので「 悲しみ」のほうが長く続く傾向があります。
◆「安らぎ」は、 満たされていることに注意が向いている状態です。
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悲しみや怒りなどのネガティブ感情にとらわれてしまったときは、
感情と自分を少し引き離すことが必要です。
悲しみにハイジャックされて、 自分と悲しみが一体化してしまっている状態から、
少し客観的に、 悲しみというものを感じている自分がいるという状態に移行するこ とが必要です。
自分はどういう感情を感じているのかを、 自覚して感情に名前をつけてあげましょう。
1 感情によって「リスク認知」や「情報処理の仕方」を客観的に意識 してみましょう。
2 感情によって「何に注意を向けている状態」で「 どう対処すればいいのか」を考えて行動してみましょう。
前田英行@心の健康を保ち心を育てる技術を学ぶ